前回、国内で全く売れない洋ゲーの話題を取り上げようかと思っていたが、その前に国産ゲームの話からすることにした。
世の中には努力したにも関わらず報われずに終わるゲームがあるが、それは何故なのかということを今回考えてみた。
比較的最近のもので、そのような結果に終わったゲームの代表的なものを二つ程例に上げて話をしてみようと思う。
その二つとは『Bayonetta』と『Demon's Souls』 だ。
この両者は必ずしも全く同じ理由で売れなかったというわけではないが、惜しい作りなのは両者に共通しているのでこの二つを例に取った。
最初に断っておくが、私自身はこのゲームをプレイするどころか、本体であるPS3もXbox360(加えてWiiも)も所持していないので断片的な情報を元に判断していることから必ずしも適切とは言い切れないことをご理解願いたい。
まず最初に二つのゲームの販売実績を見てみよう。
[PS3] 『Bayonetta』
日本:21万本 アメリカ:18万本 その他:18万本 全世界:57万本
[X360] 『Bayonetta』
日本:9万本 アメリカ:27万本 その他:15万本 全世界:51万本
[PS3] 『Demon's Souls』
日本:21万本 アメリカ:33万本 その他:未発売 全世界:54万本
誰だ(?)発売前か後かに関わらず「このゲームは絶対売れる!買いだ!」みたいな話をしていた奴は(?)なんてことを言われそうな煮え切らないお粗末な結果だ。
世の中には20万本そこそこ売れりゃ大流行、大成功みたいなことを言う御仁もいらっしゃるが、そんな人からみれば、この結果は爆発的なヒットなのかもしれない(笑)。
しかし、一般的な考えからすれば、「フーン、こんなもん?」てのが普通でしょ。(言っちゃ悪いけど事実だから仕方ない。)
だからと言ってこの二つのゲームを非難する為だけに取り上げたわけではもちろん無い。
単なるクソゲーというのであれば救いようがないし、そんなのはクソゲーオブザイヤーに任せておけばいいことだ(笑)。
この二つのゲームはいい所突いているのに惜しくもハズしてしまっている部分があるから勿体無いわけであり、それが売れなかった理由でもある。 (全てでは無いにしろ。)
まずは『Bayonetta』 の方から理由を紐解いてみようか。
このゲームは発売前から散々メディア等で取り上げられており、目にした方も多いと思う。
広告等にも金をつぎ込んでいて力の入れようが傍目にもよくわかった。
しかし、結果がこの程度だったということはメディア戦略が上手くいかなかったということだろうか?
否、そういことでは決して無いように思う。
メーカー側のメディア戦略としてはあれが限界であり、無理にあれ以上他の事を追加してやったところで結果は変わらなかったであろうし資金の無駄になったであろう。(あれだけやっといて足りなかったはないだろう?)
ということは何が悪いのか(?)と言えば後はもちろんゲームそのものに問題があるからということになる。(ゲームはゲームそのもので8割がた売れ行きが決まる。)
当初PS3版の出来に話題が集中したことがあったが、この際それには目を瞑る。
ここではXbox360版と同様だと思って話を進めようと思う。
本来であれば見逃すことが出来ないことではあるが、仮に同じ出来であったとしても売り上げの程はさして変わらなかったように思える。
それは、本体の販売台数で国内よりも大きく上回るアメリカでのXbox360版の売れ行きが芳しくないことから裏付けられているからだ。
というわけで核心である『Bayonetta』 の問題点を取り上げてみよう。
まずはグラフィック部分だ。
グラフィックこそ『Bayonetta』 の長所ではないのか(?)と思われるかもしれない。
全体的にみれば、国内の開発メーカーとしては、かなりレベルが高い方だ。
しかしながら細かな点で気になる部分がいくつかある。
海外のサイト等でも指摘されていたがBayonettaの体型が明らかに不自然だ。
国内産のゲームにおいては頭のでっかい三頭身なんてものをよく見かけるが、それとは反対の逆デフォルメ化された体型は頂けない。
すぐなんでもかんでもデフォルメしたがる国内メーカーの悪いところだ。
この手のゲームで極端なデフォルメ化は意味が無い、逆効果しか生まない。(少しぐらいならかまわないがこれはやりすぎ。)
指摘のある前から気になっていたので、よっぽど言ってやろうかと思ったが言ったところで聞きゃしないだろうと黙っておいた。(結局海外で指摘されても何も変わらなかったのだから一緒だ。)
グラフィックで言うと他には、これも国産ものにありがちなのだが、スキンシェーダ(皮膚表現)が甘い。
マネキンのようにテカテカしていて、光が当たった時の透明感が感じられない。(よく言うCGとわかるCGの典型だ。)
それ以外のところで言うとカメラワークも良くない。
銃を主たる武器として使うからか、カメラを引きすぎて肝心のBayonettaが小さく感じられることが多い。(元祖Diabloの3D版みたい。)
FPSではないのだから弾道や敵影を気にする必要などない、刀剣類を使う他のゲームだって剣で斬撃飛ばしたりコリジョン等はかなり曖昧に作ってある。
これは自分で確認したわけではないのだが、逆にカメラが近づきすぎて周りが見えにくくなるという現象があるというようなことも聞いたことがあるのでそうであるならば、全体的なカメラワークに問題があるということになる。
せめて『Assassin's Creed』ぐらいの視点で捉えてほかった。(これまた1作目しかやってないけどカメラワークを効果的に使用していたよ。)
見た目では他にUI(HUDと言った方が適切かもしれないがUIも含むのでここではUIで統一する。)がウザイなぁ、国内産のは大概UIがうるさい作りなんだよね。(ストIVなんかもそう。)
現代風にもう少しシンプルかつクールなデザインにできない?(使い勝手はどうかしらんけどスクリーンショットで見る限りロストプラネット2なんかはUIがいい感じだ。)
他に問題点として肝心なのはシナリオが古臭くコテコテで陳腐化したものだということだ。
ムービーを少し拝見した程度だが、これまでの経験から大筋わかってしまう。
いくつかあるパターンの中から想定して、やってみるとクリアした後に「ああ、このパターンで終わりか…。」と思ってしまえるような筒抜けのストーリー展開だ。 (まるで水戸黄門の最後がわかりきっているのと同じように。)
少々変えたぐらいじゃ散々ゲームをやってきた者としては新鮮味がないんだよね。(途中の話も同様。)
シナリオライターをもう少し考えてよ、海外じゃその手のプロ、映画などでも活躍している一流どころを起用しているでしょ?
それぐらい日本でもやらないと、この先シナリオが重要なゲームの場合売れないよ。
良くも悪くも国産ゲームの域を脱し得なかったことが海外でも『Bayonetta』 が売れなかった理由なんだな。
『Bayonetta』 の話が長くなってしまったが次は『Demon's Souls』 の売れなかった理由に移りたいと思う。
このゲームの場合は先の『Bayonetta』とは少々様相が異なる。
まずこの『Demon's Souls』 は、『Bayonetta』 とは対照的にメディア戦略が不十分で隅々まで情報が行き渡らなかったというのがある。
後になってこのゲームが結構話題になっているということからあわててゲーム系サイトなどが取り上げ始めたが後の祭り、機を逃してしまったのであまり意味がなかった。(異論があるのなら最初の方の取り上げ方を『Bayonetta』 なんかと比べてみてよ。今話題の(?)美少女ゲームなんかでもいいよ(笑)。)
こんなこと言うと広告費に金をつぎ込まなかったメーカーが悪いなんて言うかもしれないが、それは間違い。
ゲームのおこぼれに預かっているような連中(メディア関係者等)は、こんな時にこそ良いゲームの情報をユーザーに提供しなければならない。(それこそ自身の為になるんですよ。)
多額の広告費を払うメーカーだけ優遇するなんてのはファ○通のやることですよ(笑)。
ここまで言うとメディア戦略だけが間違っていたというように思われるかもしれないが、残念ながらこのゲームそのものにも問題はある。
このゲームの問題もまずは見た目、グラフィックに問題がある。
よく見れば地味に美しいのになんというか全体的に活気が感じられない。
下手をするとスクリーンショット等を見た人からクソゲーと勘違い(見た目のかもしだす雰囲気から)されるのではないかと危惧する程にだ。
これじゃ抽象的すぎると思うので具体的に話すとグラフィックにメリハリが無い。
全体的に暗い雰囲気を出しているのがわかるが、本当に全体的に暗い。(もしくは暗いと感じてしまう)
それは何故かというと明暗のつけ方がしっかりしていない。
篝火のようなものがあるところが光っているのは当然だが、暗い部分でもその光に反射して陰影が出来るはずだ。
薄暗くて湿っぽい感じがあるので、水滴などが反射してもおかしくないのに石造りの壁や床に細かい凹凸が感じられない。
ようするに光源処理をバンプマッピング等で効果的にやっておらず、光の反射による立体感が感じられないので全体的にノペっとした作りになってしまっている。
ゲームの場合多少大袈裟でもハッキリした映像の方が見栄えがいいし、一般受けしやすい。(暗いからといって本当に暗いのでは何も見えないので、この辺は“ゲームとして”リアルに見えればそれでいい。)
それから、このゲームも『Bayonetta』 と同様にUIにも問題がある。
但し、『Bayonetta』 とは逆の意味でだ。
あまりにもシンプルすぎる、悪く言うと寂しすぎる。
個人的にはこれぐらいシンプルだと潔くて心地良いと感じるのだが、やはり一般ユーザーが目にした場合物足りなく感じるだろう。 (特に派手なUIに慣れている国内のユーザーは。)
アイテム等を表示した場合のUIによる表現もこれまた寂しい、なんと言うかまるでブラウザゲームでも見ているかのような寂しさだ。(個人的にはスッキリしていて嫌いじゃない。)
『Demon's Souls』 というタイトル名にも少し疑問を感じる。
ゲームの内容とあっていて間違いではないのだが、今時デモンズとソウルという単語の組み合わせは無いと思う(苦笑)。 (これもまた一般受けしそうにない微妙なタイトルだ。)
なんとも形容し難いのだが、総じてこのゲームはB級テイストな作りが感じられる作品だ。
斬新なアイデアが盛り込んであり遊び応えもありそうなので、間違いなく良作と言えるのだと思うが、このゲームに限らずここのメーカー(フロムソフトウェア)が作るゲームはどこかB級テイストさを感じさせ、素人を寄せ付けない雰囲気がある。(決してそのように作っているわけでは無いと思うのだが。)
『Bayonetta』 と『Demon's Souls』 は大して問題ではないと感じられる小さな問題の積み重ねが全体としての出来、つまりは売り上げの低迷に繋がっているように思えてならない。
逆に出来が良く、ユーザーによる評価も上々で当然売り上げも伸ばしている作品は、こうした小さな作りこみの良さが幾重にも積み重なって出来ているからこそ完成度が高いのではないかと思う。
『Bayonetta』 、『Demon's Souls』 共に光るものが感じられるだけに悔やまれてならない。
こうしたことを繰り返さない為にもメディアはメーカーの顔色を伺うだけでなく忌憚の無い意思で記事を書き続けることがこういった悲劇を繰り返さないことにもなるのだと肝に銘じるべきだ。(たまには辛らつな意見も述べないとメーカーには伝わりませんよ?)
しなくても結構だが、このままでは業界そのものが埋没していくことは明白な事実だ。(そんなハズは無いと自問自答を繰り返しますか(?)答えは既に出ているでしょ。)
それでも御自分が正しいと言い張るのなら、これまでのようにご勝手にどうぞどうぞ、私の知ったことではありませんから(笑)。
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