ここ最近のPCゲームは、一昔前と比べた場合、活気が無い。
国内外を問わず、現在PC用のゲームとして開発されているものの多くが、家庭用の据え置き型ゲーム機を基準として作られている。
以前であれば、PCでなければ表現できなかったようなゲームが家庭用のゲーム機でもPCと比べ遜色の無いものが作れるようになったのが原因の一つとして挙げられる。
その他にも、PCの場合、PCを所持している人全てがゲームをやるわけではないので、対象がはっきりしない。
それに比べゲーム機であれば間違いなくゲームをする人が前提なので対象が明確であり、売り込むのもPCゲームより容易だ。
更に家庭用ゲーム機の場合は、それぞれの環境がほぼ同一なのに対し、PCの場合はユーザーによって環境がまちまちである。
開発するにあたっても家庭用ゲーム機の方に優位性がある。
加えて最近では、PCゲームよりも遥かに売れ行きが良いので、これまでPCゲームを主に製作していたゲーム開発メーカーが鞍替えするのも当然と言えよう。
マルチプラットフォームで開発されているゲーム等でも、PC版は後回しにされるケースが多い。
それでもまだ発売されるだけマシな方で、PC版は開発されないことも多くなってきた。
PC版として開発されたものに対しても、所詮は家庭用ゲーム機を基本として作られているのでPC用だからといって、さして違いが出るわけでもない。
大抵PC版は、家庭用ゲーム機と比べグラフィックのクオリティアップが図られているのだが、ゲームエンジンの基幹部分から作り直しているわけでもないので大きな違いは期待できない状況にある。
この問題は、思いの他大きい。
知っての通り家庭用ゲーム機は、細かなマイナーチェンジを繰り返してはいるものの、ここしばらく次世代機の登場が全く無いどころか、そんな情報すら流れてこない。
家庭用ゲーム機を基本として製作されている限り、PC版もそれに引きずられる形で大きな進歩が図られないでいる。
これでは、例えDirectX9のままであっても家庭用ゲームからの移植であれば、オリジナルと変わりの無い物の製作が可能であるし、DirectX9以降のメリットが薄まり、またその必要性も小さいものになってしまう。(例えPC版がDirectX10や11に対応したとしても上記でも述べたように基幹部分が大して変わらない以上、大きな違いは生まれない。)
更には、主にグラフィックのパフォーマンス向上に不可欠なビデオカードも現状問題無く快適に動作している物であるならば、買い換える必要が無くなってくる。
これは、その他のPCパーツにも言えることで、PC業界全体に影響を及ぼしかねない恐れがある。
そんな中でもCrytekが製作するCrysisシリーズのように、最先端の技術を模索し続けている物も中にはあるが、極めて稀な存在になりつつある。
それに、Crysisシリーズはグラフィックにリソースを割く余り、肝心のゲーム部分が疎かになる傾向があり巷では、“遊べるベンチマークソフト”などと揶揄されている。
Crytek1社にPCゲーム業界の今後を全て委ねるわけにもいかないだろうし、それだけでは不安を覚える。
ベンチマークソフトで、お馴染みFuturemarkなども本格的にゲーム市場へ参入してくるようだが、まだ未知数なのでなんとも言えない。(結局、Crysisシリーズ同様、“遊べるベンチマークソフト”になってしまうかもしれない。)
全てではないにしろ、これまでPC業界の一部を引っ張ってきたPC用のゲームが衰退することは、今、売り出し中であるDirectX11を搭載したWindows 7の売り上げなどにも影響することは間違いない。
マイクロソフトの立場からすればXbox360も売りたければ、Windows 7も売りたいところだろうけど現在競合する立場にある以上、悩ましい問題だね。
"遊べるベンチマークソフト"、"グラフィックだけでつまらない"、"グラフィックに拘ると中身が疎かになる"といった言葉は、批判することが目的か、自分の支持するものにおけるグラフィックへの不満感、劣っていることが気に食わないといった嫉妬心から来ていることが多いです。今のゲーム機で言えば熱狂的なWiiユーザがPS3や360に対して良く使います。
返信削除しかし考えてみるとグラフィックに拘ったゲームは主力級タイトルが多く、そういったソフトは低コストのゲームより全体的にまともに作られており平均的な評価は高いです。つまり(1つ1つ見れば失敗をしているものはありますが)"グラフィックに拘ると中身が疎かになる"というような傾向はありません。グラフィックをほどほどにすれば充実したものが作れる!ということを言う人がいますが、労力が同じままではコストが増えるため、実際はグラフィックに割く労力が減るだけで終わり他に回すパワーが増えるわけではないと推測できます。むしろ逆にグラフィック品質の平凡さ低さとゲームと評価の平凡さ低さがつながってしまっているのが現状です。
それとCrysisシリーズは他のメジャータイトル等と比べても内容的に同等以上の評価をされていますから遊べるベンチマークという言葉は、自分の趣向に合わなかったか、ベンチマークを目的としてCrysisを購入しているか、最初のほうで書いたような要因から出てくる言葉と言えます。Crysisはグラフィックにリソースを割きすぎて内容が疎かになったという意見、これはグラフィックに力を入れようが入れまいが内容的に向上したかどうかは確認不可能なので意味がありません。個人的に内容に不満があり、それをグラフィックを追求しすぎたせいにしたいという願望になっています。